先日、テレビ番組で4名の医師が患者さんの訴えから病気を診断する番組を見ました。
その患者さんは50代の女性で主訴はめまい、それ以外に難聴、発汗低下、足の浮腫み、記憶力低下、下痢、食欲減退、疲れやすい、筋力低下、動作が緩慢、白髪が増加、脱毛、などといろいろな症状がありました。
結果的には診断名は甲状腺機能低下症でした。通常なら血液のホルモン検査で診断できるのですが、症状から診断するだけだったので4名の医師のうち2名だけが正解でした。
人では発汗低下以降の症状は明らかな甲状腺機能低下症ですが、主訴のめまいと難聴は、二次的な血流障害から引き起こされたものらしく診断を難しくしていたようです。
動物ではどうなのか?
甲状腺の病気では、低下症でも亢進症でもいろいろな主訴(患者が申し立てる症状のうちの、主要なもの)が多いようです。例としては、皮膚病、循環器様疾患、呼吸器様疾患、消化器疾患、目の異常、頭部の異常様疾患、活動性低下または亢進、性格の変化、飲水量の変化などその動物により主訴はまちまちです。
病気の診断では、最初にあらゆる検査全てを行ってそこから診断名を導き出すやり方も時として必要な場合はありますが、この番組のように十分な問診と症状を見極めて病気を絞り込み、過去の臨床経験から必要なだけの検査を実施して診断を導き出すやり方も大切だと思います。
院長
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