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■猫の甲状腺機能亢進症の症状
通常、甲状腺ホルモンは、
猫の体の新陳代謝を上げ、
また体温を一定に保つ働きがあります。
甲状腺ホルモンは、首の付け根の左右に位置し、
2つの甲状腺から分泌されています。
老猫は、この甲状腺の働きが非常に活発になり、
必要以上に分泌されることがあります。
これが甲状腺機能亢進症とよばれ、
人間でいうバセドー病と同じです。
この病気を患うと、食欲が旺盛になり、
たくさん食べますが、太りません。
落ち着きなく動きまわったり、
攻撃的になる猫も、いるようです。
手足の爪が伸びやすくなり、フケが増えます。
嘔吐や下痢をするこによって、
毛艶がなくなることもあります。
体温が上がるため、冷たい場所を好みます。
病気が進行すると、不整脈になったり、
脈が早くなったりします。
心筋症になることもあるため、
注意が必要です。
■猫の甲状腺機能亢進症の原因
1980年以前は、稀な病気とされていましたが、
1980年以降は急激に増えています。
その理由はまだ解明されていませんが、
環境要因であると、いわれているようです。
多くの場合、
左右の甲状腺の片方、または両方に腫瘍がみられ、
それによって刺激され、ホルモンが過剰に分泌されるようです。
この腫瘍は、良性のものがほとんどですが、
稀に悪性の腫瘍、つまりガンであることもあります。
新陳代謝が上がるため、心臓への負担が高まり、
心臓への異常がみられるようになります。
■猫の甲状腺機能亢進症の治療
手術と薬による治療法がとられます。
・手術
大きくなった甲状腺を手術によって除去します。
治療効果が高く、最も良く行われる方法です。
甲状腺を片方だけでも残すことができれば、
正常にホルモンを分泌することができますが、
両方除去しなくてはならない場合、甲状腺ホルモンを、
与える必要が出てきます。
・薬による治療
甲状腺ホルモンの生産を妨げる薬を投与します。
この場合、一生に渡る投与が必要なため、
根気が必要な治療です。
また、腫瘍自体をなくす薬はないため、
腫瘍自体はそのままです。
この薬は、強い副作用をみせることがあり、
危険なこともありえますが、
放射線を出すヨードを猫に投与する方法もあります。
こちらは、甲状腺の中の異常を起こしている組織に集まり、
その部分を壊してくれます。
安全性は高いですが、特別な治療設備が必要なため、
現在の日本で、この治療をうけることは困難なようです。
■猫の甲状腺機能亢進症に関連する病気
心筋症
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